禁煙外来とは
喫煙は、胃がんや肺がん、食道がん、咽頭がん、さらには慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクを高める原因である一方、ご自身の意志でやめることが難しい依存性を持ちます。
当院の禁煙外来では、ニコチンパッチ(ニコチネルTTS)を用いた禁煙のサポートを行います。薬を処方するだけでなく、医師・スタッフが親身になってサポートを行いますので、どうぞお気軽にご相談ください。
禁煙外来の効果は?成功率は70~80%
禁煙外来での禁煙成功率は、70~80%にものぼります。一方で自力での禁煙の成功率は、10%ほどです。これまで自力での禁煙で失敗した方も、禁煙外来を受診することで高い確率で禁煙できます。
ニコチン依存症は、治療が必要な病気です。ストレスを抑えて無理なく禁煙するためにも、ぜひ当院の禁煙外来をご利用ください。
禁煙外来で行う治療の流れ
初回
まずはニコチン依存度の測定、喫煙状況の確認などを行い、禁煙外来のご説明します。
治療にご同意いただけましたら、呼気中の一酸化炭素濃度を測定し、治療の開始日を決定します。
2回目
初診から2週間後に再診します。
喫煙状況の確認、呼気中の一酸化炭素濃度の測定を行います。
3~4回目
初診から4週間後、8週間後に再診します。
喫煙状況の確認、呼気中の一酸化炭素濃度の測定、禁煙補助薬の追加処方を行います。また、離脱症状への対処法をお伝えします。
5回目
初診から12週間後に再診を行います。
治療は終了です。その後も禁煙を継続していただけるよう、医師からアドバイスをいたします。
ニコチンパッチ(ニコチネルTTS)
※現在、チャンピックスが製造中止となっており、当院の禁煙外来の治療はニコチンパッチ(ニコチネルTTS)での治療となります。
禁煙外来は保険適用で受診ができる?
2006年より、禁煙治療には保険が適用されています。下記条件を満たせば、保険適用での禁煙治療が受けられます。
保険診療が可能な条件
- すぐに禁煙しようという意志がある
- ニコチン依存症テスト(TDS)のスコアでニコチン依存症と診断される(5点以上を記録する)
- 1日の喫煙本数×喫煙年数の数値が200以上
- 医師から禁煙治療の説明を受けた上で、その治療の実施に同意している
※35歳未満の方は、3つめの条件(1日の喫煙本数×喫煙年数の数値が200以上)を満たす必要はありません。
※過去1年以内に禁煙治療を受けた方は自費診療となります。その後前回の禁煙治療からの期間が1年を越えれば、再度保険診療での禁煙治療が受けられます。
ニコチン依存症テスト(TDS)
問1~10の合計スコアが5点以上の場合、ニコチン依存症と診断されます。
はい 1点 |
いいえ 0点 |
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問1 | 自分が吸うつもりでいたよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがある | ||
問2 | 禁煙しよう、本数を減らそうと試みて、できなかったことがある | ||
問3 | 禁煙しよう、本数を減らそうとしたとき、タバコが吸いたくてたまらなくなったことがある |
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問4 | 禁煙しよう、本数を減らそうとしたとき、次のような症状が出た(イライラ、落ち着かない、集中できない、憂うつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、頻脈、手の震え、食欲増進、体重増加) | ||
問5 | 問4の症状を消すため、またタバコを吸い始めることがあった | ||
問6 | 重い病気にかかったときも、タバコがよくないと分かっていながら、タバコを吸ったことがある | ||
問7 | タバコのために自分に健康問題が起こったと分かっていても、タバコを吸ったことがある | ||
問8 | タバコを吸うことで自分が神経質になったり、不安・抗うつの症状が出ていると分かっていても、吸ったことがある | ||
問9 | 自分がタバコに依存していると感じることがある | ||
問10 | タバコが吸えないような仕事、付き合いを避けたことが何度かある |
禁煙の離脱症状(禁断症状)が出たときの対処法
離脱症状に対する基本的な対処法をご紹介します。
もちろん、治療期間中につらいと感じたときにはその旨を直接医師にお伝えください。個別にもアドバイスをいたします。
タバコが吸いたい
- まずは深呼吸をする
- 冷たい水、熱いお茶をゆっくり飲む
- 散歩、ストレッチをする
- スポーツに打ち込む
- ガムを噛む
- 歯を磨く
- 時計を見ながら、吸いたい欲求が治まるまで数を数える
- タバコとセットだったコーヒーをやめる
イライラする、落ち着かない
- まずは深呼吸をする
- 冷たい水、熱いお茶をゆっくり飲む
- 散歩、ストレッチなど軽い運動をする
頭痛がする
- まずは深呼吸をする
- 足を少し高くして、仰向けになる
眠れない
- 日中に適度な運動をする
- 規則正しい生活を送る
- ぬるめのお湯にゆっくり浸かる
体がだるい、眠い
- 夕方以降、カフェインの摂取を避ける
- ぬるめのお湯にゆっくり浸かる
- 軽い運動をする