痰が絡む症状が治らない?
熱がない・下がったのに痰がからむ咳が長く続く場合には、気道粘膜の慢性的な炎症、気道粘膜からの過剰な分泌などが起こっている可能性が考えられます。
感染症、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎、さらには肺結核や肺がんまでを考慮して検査・診断していきます。
痰が絡む咳の原因・疾患-痰の色は?
痰の色や性状によって、疑われる病気を絞ることが可能です。ただし、あくまで目安ですので、自己判断せず、必ず医師の診断を受けるようにしましょう。
色・性状 | 主な原因 | 主な病気 |
---|---|---|
黄色 | 細菌感染 | 急性咽頭炎、急性気管支炎など |
緑色 | 緑膿菌 | びまん性汎細気管支炎、慢性気管支炎など |
錆びた色 | 肺炎球菌 | 肺炎球菌性肺炎、肺膿瘍など |
白色・粘度が高い | 非細菌性のウイルス | アレルギー性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など |
白色・サラサラ | 細菌感染など | 気管支喘息、肺胞上皮がんなど |
ピンク色・泡末状 | 出血に空気が混じる | 肺水腫など |
暗赤色 | 下気道からの出血 | 肺がん、気管支拡張症、肺結核症など |
赤色 | 肺からの出血 | 肺出血など |
血痰・呼吸の異常があるとき行う
「喀痰培養検査と喀痰細胞診検査」
いずれの検査も、体への負担が少なく簡便にできる検査です。
喀痰培養検査
痰の中の細菌を調べる検査です。
黄色や緑色などの色をした痰が見られる場合や肺炎などの感染症を疑う場合には、喀痰培養検査を行います。
細菌性肺炎や結核などの抗菌薬治療のヒントになる有効な検査です。
喀痰細胞診
痰の中に異常な細胞(異性細胞や悪性細胞)が含まれていないかを確認する検査です。
痰に血が混じる場合や、胸部X線異常などが認められる場合には、喀痰細胞診検査を行います。
肺がん、喉頭がん、咽頭がんといった疾患の早期発見に有効です。
痰が絡むときは何科を受診する?咳が多いときは呼吸器内科で
痰が絡むときには、内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科に相談するのが一般的です。ただ、咳を伴う場合、より詳しい検査を受けておきたいという場合には、専門性の高い呼吸器内科を受診されることをおすすめします。
痰や咳が見られたからといって「肺がんだったらどうしよう」と過度に心配する必要はありません。ただ、以下に該当する場合には、お早目に当院にご相談くださいますようお願いします。
受診の目安
- 血痰、色の濃い痰が出た
- 痰を伴う咳が2週間以上続いている
- 呼吸のしづらさを感じる
- 階段の上り下りといった軽い運動で動悸・息切れがす
- 胸痛を伴う
- 咳が頻繁に出る
- 風邪が治ったのに痰や咳の症状だけ長引く